元金均等返済シミュレーション
毎月の元金は同じ、返済額は毎月減っていく — 元利均等返済との利息差を計算します。
| 月 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
|---|
計算式:
- 毎月の元金:
A = P / n(n = 年数 × 12)。 - k 回目の返済額:
PMTk = A + Bk−1 × r— 前月残高にr = 年利 / 12を掛けた利息を加算。 - 総利息:
P × r × (n + 1) / 2。
元金均等返済のしくみ
元金は毎月同じ、利息は減っていく
元金均等返済では、毎月まったく同じ額の元金を返します。4,000万円を 35 年(420 回)で借りるなら、毎月 95,238 円の元金返済です。動くのは利息の行 — 残高に掛かって発生するため、初回の 40,000 円から最終回にはほぼゼロまで減っていきます。そのため返済額の合計は毎月下がり、初回 135,238 円から最終回 95,333 円まで続きます。
元利均等より利息が安い理由
元利均等返済は毎月の返済額を一定に設計する都合上、返済初期の元金減りが非常に遅くなります。元金均等は元金を一定ペースで削るため、残高 — とそれが生む利息 — が早く縮みます。既定の例では総利息 842 万円に対し、元利均等(毎月 116,680 円固定)では約 901 万円:約 586,000 円の差です。その代わり初回負担は 135,238 円と、元利均等より 18,557 円重くなります。
16 年目で逆転する
元金均等の返済額は毎月減り、元利均等の返済額は一切動かないため、2 つの曲線は途中で交差します。既定の例では 196 ヶ月目(約 16 年)で逆転します。そこから先は毎月の返済額が元利均等を下回り続け、完済時には約 586,000 円の差が手元に残ります。返済期間の前半は我慢、後半は楽 — それが元金均等です。
世界で共通の同じ仕組み
この構造は国ごとに名前が違います。日本では元金均等返済、ブラジルでは SAC(Sistema de Amortização Constante)として住宅ローンの標準の一つ、米国では商業ローン等で straight-line amortization と呼ばれます。このページの計算は 3 つすべてにそのまま当てはまります。
エクセルと TI-84 での元金均等計算
元金均等は TVM ソルバー不要 — 式がそのまま使えます:
- エクセル 毎月元金: 4,000万円・420 回なら
=40000000/420で 95,238 円。 - エクセル 初回返済額:
=40000000/420 + 40000000*1.2%/12で 135,238 円(元金 95,238 円 + 利息 40,000 円)。 - エクセル 総利息:
=40000000*(1.2%/12)*(420+1)/2で 842 万円 — 等差数列の和の短縮形。 - TI-84 元利均等の比較返済額: TVM Solver で
I% = 1.2、PV = 40000000、FV = 0、N = 420、P/Y = 12、C/Y = 12と入れPMTを解くと −116,680 円。 - TI-84 任意の月の返済額: k 回目は
40000000/420 + 残高 × 0.001。スケジュール表の残高をそのまま使えます。
計算例
例 1: 4,000万円・年 1.2%・35 年
principal = 40000000、annualRate = 1.2、years = 35 と入力。毎月の元金は 95,238 円。初回返済額は 135,238 円、最終回は 95,333 円。総利息は 842 万円、総返済額は 4,842 万円です。
例 2: 同じ条件を元利均等で返す
同じ 4,000万円・年 1.2%・35 年の元利均等返済額は毎月 116,680 円の固定で、総利息は約 901 万円(842 万 + 約 586,000 円)。元金均等は 約 586,000 円お得ですが、初回は 18,557 円多く払います。196 ヶ月目(約 16 年)で元金均等の返済額が元利均等を下回り、以後は差が広がる一方です。
例 3: 期間を 20 年に縮める
principal = 40000000、annualRate = 1.2、years = 20 と入力。毎月元金は 166,666 円に増え、初回 206,666 円・最終回 166,833 円、総利息は 482 万円 — 元利均等(毎月 187,548 円・総利息 501 万円)との差は約 19 万円に縮みます。期間が短いほど元金の減り速度の差が効かなくなるためです。
関連ツール
元金均等返済シミュレーションは「元金均等でいくらかかる?」に答えます。関連する質問:
- 「毎月の返済額を固定にしたい」 — 元利均等返済シミュレーションが固定返済額のスケジュールを計算します。
- 「そもそもいくら借りられる?」 — 住宅ローン借入可能額シミュレーションが月々返済額から最大借入額を逆算します。
- 「繰上返済も考えている」 — 元金を前倒しで減らす効果は繰上返済ツールで金額別に試せます。
よくある質問
元金均等返済とはどういう返済方法ですか?
借入額を返済回数で均等割りした元金を毎月返し、残高に対する利息を上乗せする方式です。返済額が毎月減っていくのが特徴で、ブラジルの SAC・米国の straight-line と同じ構造です。
なぜ初回の返済額が最終回よりずっと多いのですか?
利息は残高に対して発生するためです。4,000万円・年1.2%・35 年では、初回は 135,238 円(元金 95,238 円 + 利息 40,000 円)で、最終回は残高がほぼゼロの 95,333 円まで下がります。
元金均等と元利均等、どちらが総利息で有利?
同じ条件なら元金均等です。4,000万円・年1.2%・35 年なら総利息 842 万円に対し元利均等では約 901 万円 — 約 586,000 円元金均等が有利。元金の減りが速く、利息の基盤が早く縮むためです。
元金均等返済を選ぶときの注意点は?
初回返済額が最も重くなることです。返済初期に余裕があり収入の維持・増加が見込める人に向きます。金融機関による取り扱いの違いや団信・保証料の扱いも併せて確認してください。
元金均等でも繰上返済はできますか?
できます。繰上返済で残高を減らせば以後の利息計算の基礎が下がり、返済額減少または期間短縮の効果が得られます。金額別の効果は繰上返済ツールで試せます。
総利息の計算式は?
総利息 = P × r × (n + 1) / 2。残高が等差数列で減るため等差数列の和になります。4,000万円・年1.2%・420 回なら 40,000,000 × 0.001 × 421 ÷ 2 = 842 万円です。